大学等連携推進方針
1.大学を設置する社員の名称及びその法人が設置する大学名
国立大学法人熊本大学(熊本大学)
公立大学法人熊本県立大学(熊本県立大学)
学校法人東海大学(東海大学)
2.参加大学の教育研究活動等に関する連携の推進を図る意義に関する事項
熊本県では、人口減少をはじめとする地域課題を解決するとともに、新たな技術を将来の地域活力につなげるため、デジタル化、DXの取組を積極的に推進している。
県と民間の有識者等からなる「DXくまもと創生会議」において「くまもとDXグランドデザイン」を策定している。これは、新たな熊本県づくりに向けて、過去からの延長線ではなく、10年後を展望して見えてくる変化・課題とその課題を克服した先にある「あるべき姿」を想定した上で、その実現に向けた現時点からの取組の方向性を描いたものであり、DXに取り組む様々な関係者間のいわば「羅針盤」となる。
このグランドデザインでは「7つの実現の方向性」が示され、その中の一つが、「7.熊本県を地域社会の担い手に選ばれる郷土に」の下に、「人を惹きつける大学等の教育環境の整備:大学間連携や地域連携を推進し、地域社会で活躍できるDX人材を輩出する」及び「新しい技術や新しい価値観など新たな潮流に対応した仕事環境の整備:どこでも誰でも働ける環境づくり、リカレント教育の充実」として、今後、地域連携プラットフォームに引き継がれて明確に設定する地域が求める人材像の一端が示された。
さらに、熊本県では、半導体製造グローバル企業の誘致により、地域産業の活性化、グローバル化が期待され、半導体製造分野のみならず、行政や金融を中心にグローバル人材供給が急務であり、時代の要請に応じた高度人材の量的な供給力強化は喫緊の課題となっている。
特に、英語を中心とした外国語での高いコミュニケーション能力と、Society5.0の進展に対応するためのDX/DS(DigitalTransformation/DataScience)の素養を有する人材への期待は極めて大きい。
この法人は、このような期待に応えるため、熊本大学・熊本県立大学・東海大学が協力し、それぞれの強みや特色を活かし、人的・物的リソースを相互に補完することにより、熊本県内に活動拠点を置く高等教育機関がこれまでの連携によって推進してきた熊本県地域における高等教育の機能強化を更に発展させることを通じ、多様化する学修者のニーズや社会からの人材育成等に係る要請に応えるとともに、熊本県地域の発展に貢献することを目的とする。
なお、平成25年4月には熊本県下大学の学長会議での議論を経て「一般社団法人 大学コンソーシアム熊本」が設立され、令和5年4月現在、11 大学・1高専・1短期大学校・2地方行政機関(熊本県・熊本市)の正会員、熊本経済同友会を含む7団体の賛助会員、公益財団法人くまもと産業支援財団を含む3団体の協賛会員が参画しており、本法人社員の3大学は設立時から正会員として参画し、大学間連携を推進する経験が培われている。
令和3年度には、熊本大学・熊本県立大学及び熊本大学・東海大学で包括的連携協定を締結して、教育研究を中心に連携を深めており、国・公・私立とそれぞれ設置形態の異なる3大学に熊本県を交えながら連携活動を推進している。
3.参加大学における教育研究活動等に関する連携の内容及びその目標に関する事項
連携大学間のそれぞれの強みや特色、教育資源等を活かした相互補完などにより、教育内容や質の向上を図り、地域のDX化を推進する人材及びグローバル企業と関連する産業分野等を支えるグローバル人材を育成し、地域全体の活性化に寄与する。なお、当面は、SPARC事業(地域活性化人材育成事業)における連携開設科目の開設・実施・評価に係る活動を行う
(連携開設科目を開設及び実施する場合)
(1)連携開設科目の開設の内容及び目標
くまもとの未来を拓くグローバルDX人材の育成のため、文理横断教育、データサイエンス教育、地域課題PBL(問題解決型学習)等の充実を目標とし、各大学の強みを生かした連携開設科目を開設する。
連携開設科目の内容や目標に関する協議は、理事会及び連携教育プログラム委員会において基本方針の協議を行う。また、授業担当教員レベルにおいても、連携教育プログラム委員会の下にタスクフォースチームを設置し、大学間の協議を行う体制を整える。
【予定されている連携開設科目】
現代社会と半導体(1単位)
データサイエンス入門(2単位)
グローバル企業家論(2単位)
ビジネス倫理学(2単位)
アグリマーケティング論(2単位)
アグリビジネス論(2単位)
経営戦略論(2単位)
インストラクショナル・デザイン基礎(2単位)
デジタルマーケティング(2単位)
(2)参加大学の役割分担
各大学の学位プログラムにおいて、それぞれ不足している教育内容に関し、各大学の強みや特色のある教育リソースを提供する役割を担うことを前提として整備を行う。
熊本大学では、半導体及び情報学分野に係る教育など、熊本県立大学では、データサイエンス分野に係る教育など、東海大学では農学及び経営学分野の教育などを主に提供することで教育内容の向上を図る。
(共同教育課程を編成及び実施する場合)
該当なし
4.一般社団法人が行う大学等連携推進業務に関する事項
本法⼈は、熊本県内に活動拠点を置く高等教育機関がこれまでの連携によって推進してきた熊本県地域における⾼等教育の機能強化を更に発展させることを通じ、多様化する学修者のニーズや社会からの人材育成等に係る要請に応えるとともに、熊本県地域の発展に貢献することを目的とする。
上記目的を達成するため、次の事業の推進を予定している。
(1)人材育成の充実に関すること
(2)連携開設科目の設置と運営に関すること
(3)研究の活性化に関すること
(4)社会連携の推進に関すること
(5)その他⽬的を達成するために必要なこと
(大学の設置者以外の社員がいる場合)
5.大学の設置者以外の社員が実施する参加大学の教育研究活動等に関する連携の推進に関する事項
該当なし